祖父と趣味  トランプ・麻雀・他     謡 曲  盆 栽
 
 おじい様はひとりトランプ(ソリアティ)がお得意で、ちょっとした暇があれば楽しまれていらした。はっきり伺ったことはないが恐らく英国仕込みだったと思われる。そのトランプ遊びは子供の代から孫の代へと教え継がれ今日では曾孫までも楽しんでいる。

 ずいぶん長い間愛用されたおじい様のトランプはすっかり手の跡が付き、湾曲してしまっていた。おじい様が亡くなられた時には、御下賜のポンカン・苺・葡萄や毛皮の羽織下・毛足袋・黒のシャッポ・ベルモットと一緒にお棺の中においれした。(孫 岩村 緑談) 
 
 麻雀は大連で習い覚えた四女夫妻が大正11年に帰国後始めたのかきっかけでした。おじい様は最初はあまり興味をお持ちにはならなっかたのですが、避暑地久留和で初めてなさって以来、すっかり麻雀党になっておしまいになった。(四女 故鈴木 文「私の父」から抜粋)その後櫻井家では事あるごとに家族で何卓も囲んでにぎわった。

 昭和12年には、成人した子供が9人いたことから、九家族の和を願って「九和会」と名付けられた親睦会が結成された。規約や名簿が作られ、会費制で運営され、昭和19年からは年1回、「九和会だより」という近況報告を掲載した冊子も発行している。平成14年12月現在第66号を数えるまでになっている。
 おばあ様のご命日、おじい様のご命日にはお墓参りのあとに輪番制で「九和会」のメンバー宅に集まり、会食後、麻雀会が開かれ、後には子供級のご命日に近い日曜日に集うのが恒例となった。今では子供級は全員他界してしまったが、年1回会合をもっている。孫級51名、曾孫級145名、玄孫級146名、玄孫の子を含め359名の大所帯となっている。

 ダンスや演劇・歌舞伎もお好きで時々お出かけになっていらした。またおじい様は大変運動神経が良く、東大の運動会では毎年一等賞をお取りになり、金メダルをご自慢そうにしていらした。 (緑談)大正12年オーストラリアへお出かけになった帰路の「安芸丸」の船上では赤道祭りが開かれ、仮装大会で優勝されたこともある。